工芸_1

芸術として認可性の低い工芸

過去の歴史を遡る西洋の芸術分野では、作風に対する流派が非常に明確であり、即物派とロマン派に大別されていた。前者は機能性や有用性を前提として、その他の付加要素を否定することにより、独自の芸術性を追求した。一方のロマン派は即物的な概念を明確にせず、比較的自由な発想のもと創作活動が行われていたようだ。日本古来の工芸は「即物=実用性」「ロマン=美術的な美しさ」といった明確なファクター分類がなされ、これらの融合に徹することによって工作物としての価値を高めていた。しかし、これに対する現在の解釈は非常に曖昧であり、鑑賞目的の芸術品として価値を見出すものや、あくまで実用性を重視した結果、生まれた作品を評価する基準として即物的な芸術性をその尺度として採り入れている。。今日での生産状況は製造工程の合理化やその手法の発展に伴って、一般向けにコストパフォーマンスを考えた実用的な使用感を求める器物は大量生産品で賄い、鑑賞に値する意匠性や美術的な価値を求められるものは、高級品としてコストをかけて製造され、工芸品と呼称し販売されている。また、それを作る作業を行った行為を「工芸」といった具合に住み分けが行われているようだ。